家の中で毎日使う水回りは、どんなにこまめにお手入れしていても、どうしても劣化や汚れが目立ちやすい場所。いつリフォームすべきか、リフォームするならどのようにコストを抑えるべきか、悩みは尽きませんよね。

この記事では、キッチン・浴室・洗面台・トイレの4カ所のリフォームの費用相場と、コストを抑えるためのポイントを解説します。水回りをリフォームするおすすめのタイミングや、マンションでリフォームをする場合の特別な注意点も押さえて、快適な水回りを手に入れましょう。

水回りのリフォームを考えるタイミング

水回りは、設備の内部や水道管など表からは見えない部分が多く、リフォームのタイミングの判断が難しい側面があります。しかし古い設備をそのまま放置しておくことには故障リスクが伴うため、リフォームが推奨されるタイミングを知っておきましょう。

水回りリフォームの一般的な時期とその理由

水回りのリフォームを考える一般的なタイミングは、設置から10年から20年が目安になります。この期間を過ぎると、キッチン・お風呂・洗面台・トイレなど、水回り設備の劣化が進む可能性が高まります。

設備の劣化とリフォームの必要性

水回りの設備の劣化は表面的にはわかりにくいため、「古くなったけれどまだ使える」と交換を先延ばしにしてしまうことも少なくありません。しかし表面的には問題なく見えても、内部の給排水管などが劣化しているケースがあります。放置すると水漏れやカビの発生などのトラブルにつながるため、定期的に点検やメンテナンスをすることをおすすめします。

また、家庭によっては子どもが生まれたりご家族が高齢になったりとライフステージが変化することで、既存の設備の使い勝手が悪くなることも考えられます。できれば10～15年に一度は水回りを見直し、適切なタイミングでリフォームするとよいでしょう。

各水回り設備のリフォーム費用相場

水回りのリフォーム費用は、工事内容や設備のグレード、リフォーム前の状態によっても変動します。ここではキッチン・浴室・洗面台・トイレのリフォーム費用の相場をご紹介します。

キッチンリフォーム

キッチンのリフォーム費用の相場は50万～150万円程度ですが、キッチン自体の場所を移動させるかどうかでも大きく変動します。

キッチンの場所を変更しない場合は、配管や配線の工事が抑えられるため、比較的コストを抑えてのリフォーム可能です。工事自体も2日程度で完了します。

一方、キッチン本体の交換に加えて場所を移動する場合は、配管や配線を延長する工事や、ダクトの新設が必要です。工事が大掛かりなぶん、リフォーム費用は100万円前後、工期も5日程度かかります。

浴室リフォーム

浴室には「ユニットバス」と「在来浴室」の2つの種類があり、工事内容によって費用が変動します。

浴室のリフォームで一般的なユニットバスの交換は、異なるメーカー・規格のユニットバスに交換するよりも、同じメーカー・規格の製品に交換するほうが費用を抑えられます。工期はユニットバスの入れ替えの場合で1～2日程度、在来浴室からユニットバスに交換する場合で2～4日程度です。

洗面台リフォーム

洗面台や脱衣所のリフォーム費用の相場は下記のとおりです。

洗面台のリフォームは、一般的に20万～50万円程度でできるとされていますが、設置する洗面台のグレードによっても費用が変動します。シンプルなデザインのローグレードは比較的安価ですが、収納スペースが多く使い勝手の良いミドルグレードや高級感のあるハイグレードは高額になります。

リフォーム期間は、洗面台のみの交換の場合で1日程度、位置の移動も含めた内装工事を伴う場合は1日～4日程度が目安です。

トイレリフォーム

トイレのリフォームには、ウォシュレットなどの温水洗浄便座の設置工事のほか、洋式トイレ本体の交換や、和式トイレを洋式トイレに交換する工事などがあります。

本体に高機能な温水洗浄便座がついていないシンプルなものであれば、15万円程度からリフォーム可能です。とはいえ、トイレのリフォームでは、はじめは便器の交換のみを希望していた場合でも、結果的に壁や床の張り替えや手洗い場の設置などを追加する家庭も少なくありません。

リフォームにかかる期間は、洋式トイレの交換の場合で1日、和式トイレからの交換や室内全体のリフォームの場合は、2日～1週間程度を見ておきましょう。

水回りのリフォーム費用を抑えるポイント

水回りのリフォームは一度に複数箇所を行うこともあり、できるだけ費用を抑えたいと考えている方も多いと思います。コストを抑えながらリフォームするには、下記3つのポイントを押さえましょう。

設備のグレードを下げる

水回りリフォームの費用を抑える方法の1つに、設備のグレードを下げることが挙げられます。システムキッチンやユニットバス、洗面台は製品のグレードによって本体価格に大きな差があり、デザイン性や機能性の高いものを採用すれば、そのぶんリフォーム費用も高額になります。

リフォームのプランを練る際には「ここだけは譲れない」という優先順位を決めておきましょう。優先度の低い部分については、リフォーム前に抱えていた問題点と照らし合わせることで、必要かどうかを判断しましょう。必要な部分だけに絞ることで、全体のリフォーム費用を抑えながら納得のいく仕上がりを実現できます。

補助金や助成金制度を利用する

補助金や助成金制度を利用することも、リフォーム費用を抑える有効な手段です。なかでも代表的なものは「介護保険」と「省エネリフォーム支援」です。

介護保険では、手すりの設置や滑り止め防止のリフォームを対象に、工事費用（上限20万円）のうち最大で9割（18万円）の補助を受けられます。

▼詳しくはこちら▼
厚生労働省「介護保険における住宅改修』
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/toukatsu/suishin/dl/07.pdf

2024年3月下旬から申請の受付が開始される「子育てエコホーム支援事業」では、高断熱浴槽や節水型トイレといった、対象製品の設置・指定リフォームを実施することで補助金を受け取れます。補助金の上限は、子育て世帯・若者夫婦世帯であれば1戸あたり30万円、その他の世帯は20万円です。

▼詳しくはこちら▼
国土交通省「子育てエコホーム支援事業』
https://kosodate-ecohome.mlit.go.jp/about/

そのほかにも、お住まいの自治体によっては独自の補助金制度を設けている場合もあります。詳しくは各自治体の窓口に確認しましょう。

3点セット・4点セットのプランを利用する

リフォーム会社の中には、キッチン・お風呂・洗面台・トイレがセットになったお得なプランを用意している会社もあります。水回りは同じタイミングで劣化が目立ってくるケースが多いため、一度にリフォームすることを提案しています。

単品でのリフォームよりもセットプランのほうがお得な理由は、リフォーム会社が必要な資材をまとめて仕入れできることが挙げられます。また、一度に複数個所の工事ができれば、職人さんの人件費や養生費、資材の運搬費も押さえられます。

セットプランに含まれる製品は、一般的に同じメーカーで統一されていることがほとんどです。1つ1つにこだわったデザインにはできませんが、工期が短縮できるというメリットもあります。

水回りリフォームのセットプランの費用相場

水回りのリフォーム費用は、一般的にマンションよりも戸建の方が高くなる傾向にあります。ここでは3点セット・4点セットの費用相場をまとめました。

なお、リフォーム会社によっては、グレードごとに3段階のセットプランを用意している場合もあります。製品のグレードや内装工事の有無によっては、さらに追加費用がかかることもあります。

マンションの場合

戸建の場合

水回りをリフォームする時の注意点

水回りのリフォームを検討するにあたっては、費用面以外にも注意したいポイントが3つあります。理想にぴったりのリフォームを実現するためにも、必ず押さえておきましょう。

ショールームで実物を確認する

住宅の中でも特に使用頻度の高い水回りの設備は、必ずショールームで実物を確認しましょう。

例えばシステムキッチンや洗面台などは、台の高さやサイズ感が使い勝手に直結します。最近ではデジタルカタログなどで気軽に製品の比較ができますが、カタログ上で製品を選んでしまうと、工事が終わってから「なんとなく使いづらい」と後悔する可能性もあるため注意が必要です。
最新のユニットバスやトイレには、自動洗浄機能や脱臭機能などの便利なオプションも多いため、ショールームで実際に見て触ることで、ご家庭に必要な機能を選ぶ際の参考になります。

デザイン性と機能性のバランスを意識する

水回りリフォームでは、デザイン性と機能性のバランスを意識して設備を選びましょう。おしゃれな設備に憧れるあまり、デザイン性だけを重視した製品選びをしてしまうと、掃除がしづらかったり明るさが不十分だったりと、使い勝手の悪い水回りになる可能性があります。

一方、機能性だけを重視してしまうと、生活感が出すぎたり、家全体の内装との統一感がなくなったりすることも考えられます。水回りの設備を決める際には、インテリアテイストや必要な機能などを具体的にイメージしておくと、デザイン性と利便性を両立しやすくなります。

マンションの管理規約を考慮する

マンションの水回りをリフォームする場合は、必ずあらかじめマンションの管理規約を確認しましょう。特に、排水管の施工を伴う水回りリフォームでは、管理組合の規約によって工事内容が制限されることがあります。場合によっては希望するリフォーム工事ができないケースもあるため、注意が必要です。

マンションの場合は戸建てに比べて水回りの面積が狭いことが多く、設置可能な設備のサイズや種類に制約がある場合もあります。リフォーム前には必ず管理組合に相談し、許可を得ることが重要です。

まとめ

水回りのリフォームにかかる費用は、工事の規模や導入する設備、リフォーム前の室内の状態によっても大きく変動します。

リフォーム費用を安く抑えるには、製品グレードの見直しや補助金の活用のほか、水回り工事をまとめて依頼したり、リフォーム会社が用意している3点セット・4点セットのプランを利用したりするのもおすすめです。どこのリフォーム会社であればお得に工事できるかは、複数業者で相見積もりをとり、プランの比較をしてみるといいでしょう。

当社にお問い合わせいただくお客様からも、水回りを複数個所まとめてリフォームするプランは大変ご好評いただいています。お客様にぴったりの水回り商品のご提案や、コスパよくリフォームするためのアドバイスも実施しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。