fbpx

地域のコミュニティ形成に寄与したい。「駒屋駄菓子店」「駒屋食堂」を手がける駒走社長にインタビュー(前編)

2022.12.13
公式ブログ

昔はどこにでもあった駄菓子屋さん。
子どもたちが学校帰りに目的もなく集合する小さな拠点であり社交場だったあの場所。
10円、20円を握りしめてお菓子を買ったことを懐かしむ人も多いでしょう。

2022年11月。
「駒屋駄菓子店」「駒屋食堂」をオープンした駒商の駒走社長に、駄菓子店とこども食堂をオープンした思いをうかがいました。

駄菓子店×こども食堂=子どもたちの居場所に。

―どういう経緯で駄菓子店とこども食堂をはじめられたのですか?

駒走:地域のコミュニティ形成に寄与したいという思いがありましたし、以前よりこども食堂を実施しようと考えていました。

―SDGs事業認定を取得されたときに、こども食堂について触れられていましたね。

駒走:そうですね。こども食堂の始まりは僕の幼少期にさかのぼります。小さい頃はいじめられっ子だったんです。家は貧乏で母親は24時間仕事をしているような人。姉も兄もいましたが、それぞれの人生を生きるのに必死で、いじめられていることを相談できなかったですし、相談しようとさえ思いませんでした。

―なるほど……大変な幼少期を過ごされたのですね。

駒走:学校や家族以外のコミュニティがあれば、相談できたかもしれませんね。ですが、コミュニティがあれば良かったと思ったのはここ1、2年のことです。今の僕って、1対1のコミュニケーションは取れるのですが、1対多数になると途端に難しくなるのです。コミュニティがあればまた違ったのかもしれない、話せる場があったらよかったな、と思い始めたんです。

―それでこども食堂を?

駒走:ある音声SNSで「僕もこども食堂やります!」って言ったんです。言ったからにはやらねば、と始めることができました。とは言え、本当に貧しい思いをしている子どもたちはこども食堂に来にくいものです。僕だってそうでした。そこで思いついたのが駄菓子屋です。駄菓子屋であれば、足を運ぶハードルが下がりますから。

「駒屋」は生き方のヒントを見つけられるようなコミュニティ。

―駄菓子店とこども食堂オープンへの思いを教えてください。

駒走:地域にコミュニティを作りたいです。でも、コミュニティに無理に混ざらなくていい、話さなくたっていいと思っています。駒屋の隅っこで本を読んでいるだけでもいいんです。大学生までの子どもたちが世代を超えて交流することで、生き方のヒントが見つかるかもしれませんよね。例えば「いじめられていて学校に行けない」と悩んでいる小学生が、高校生から「俺もそういうことあったで」と経験談を聞くことで勇気をもらって、ひょっとしたら学校に行けるようになるかもしれない。自分の居場所だと思える、そんなコミュニティを作っていけたらと思います。

―実際にオープンしてみていかがでしたか?

駒走:オープン初日の午前は無料にして、代わりに拡散をお願いしました。延べ来客数は300人くらいでしょうか。盛況のうちに終えられてうれしかったです。当面は不定期オープンで、都度FacebookページやInstagramなどのSNSでお知らせしています。

―すごい!印象深い場面などありましたか?

駒走:小学生2人が「レジをやりたい」と言ったので、やってもらうことにしました。するとやんちゃそうな高校生くらいの男の子が、レジをやっている子に向かって「偉いなぁ」と言って1人に500円玉を渡したのです。受け取った子はうれしそうに家に帰りました。帰ってお父さん・お母さんに話したのでしょう、お母さんが駒屋に来られて「2人でやったのだから半分に分けたほうがいいですよね」と言い、結果、250円ずつにされていました。お父さんと「子ども自らがそういう考えに至るまで、もうちょっとですね」と話しました。